最新【令和8年度】業務改善助成金の予算案と変更点を解説!

こんにちは。社会保険労務士の白井章稔です。
日々、多くの中小企業経営者様から賃上げと生産性向上についてのご相談をいただいております。

さて、令和8年度の「業務改善助成金」に関する予算案が公表されました。設備投資と賃上げをセットで支援するこの助成金は、非常に人気が高い制度ですが、来年度は大きな制度変更が予定されています。特に「30円コースの廃止」「助成上限額の引き下げ」といった、事業者様にとって見逃せないポイントが複数含まれています。

今回は、現時点での予算案に基づき、令和8年度の変更点と今から準備すべき対策について、分かりやすく徹底解説いたします。

業務改善助成金とは?(制度のおさらい)

業務改善助成金は、生産性向上のための設備投資(機械設備、POSレジ、顧客管理システム、人材育成など)を行い、かつ事業場内の最低賃金を一定額以上引き上げた場合に、その費用の一部を国が助成する制度です。

近年の最低賃金の大幅な引き上げに伴い、この助成金の注目度は年々高まっています。厚生労働省のデータによると、交付決定件数は以下のように推移しており、多くの企業が活用していることが分かります。

年度 交付決定件数
令和4年度 5,672件
令和5年度 13,766件
令和6年度(見込み) 17,616件

※出典:厚生労働省「令和8年度予算概算要求の概要」等の公表データに基づき作成

令和8年度予算案の4つの大きな変更点

令和7年度までの制度と比較して、令和8年度は以下の4点が大きな変更点となる見込みです。

①「30円引き上げコース」の廃止とコース再編

これまで最も使いやすかった「30円コース」が廃止されます。令和8年度からは、引き上げ幅が「50円」「70円」「90円」の3コースに集約される予定です。つまり、助成金を利用するためには、これまで以上に思い切った賃上げが必要になります。

② 少人数の賃上げに対する助成上限額の引き下げ

特に小規模な事業者様への影響が大きいのが、上限額の改定です。賃金を引き上げる労働者数が少ない場合、助成される金額が従来よりも減少します。

  • (例)賃上げ対象者が1人の場合(30人未満の企業)
  • 令和7年度:最大 80万円(45円コースの場合)
  • 令和8年度:最大 40万円(50円コースの場合)

このように、投資額に対して受給できる割合が低くなる可能性があるため、より計画的な投資判断が求められます。

③ 対象となる事業場内最低賃金の要件変更

これまでは「地域別最低賃金との差額が50円以内」といった複雑な計算が必要でしたが、来年度はシンプルに「事業場内最低賃金が、令和8年度の地域別最低賃金未満であること」という要件になる見込みです。

具体例:
仮に令和8年度の最低賃金が1,150円に改定された場合、現在の事業場内最低賃金が1,149円以下の事業所が対象となります。

④ 募集期間の短縮(9月〜11月)

これが実務上最も注意すべき点です。令和8年度は、地域別最低賃金の改定時期に合わせ、9月1日から11月末日までの約3ヶ月間に申請が集中する見込みです。例年よりも受付期間が短いため、事前の準備が合否を分けます。

社労士が教える「今からできる対策」

制度が厳しくなるからこそ、早めの動き出しが重要です。私は以下の3点を推奨しています。

  1. 設備投資の計画と見積もりの早期準備:
    申請期間が始まってから見積もりを取っていては間に合いません。導入したいITツールや機械の選定、相見積もりの取得を今から進めておきましょう。
  2. 法定帳簿(賃金台帳・雇用契約書)の整備:
    助成金申請には正確な労働時間の記録と賃金の証明が不可欠です。未払い残業がないか、最低賃金を下回っていないか、今のうちに自社の状況を総点検してください。
  3. 専門家への早期相談:
    「うちは50円アップできるか?」「どの設備が対象になるか?」といった判断は専門的です。募集開始直前は相談が混み合うため、余裕を持ってご相談ください。

まとめ:来年度の申請に向けたご相談は当事務所へ

令和8年度の業務改善助成金は、ハードルが上がる一方で、生産性を本気で向上させたい企業にとっては依然として強力な武器になります。制度の変更に戸惑うこともあるかと思いますが、私たち専門家が伴走し、御社のスムーズな申請と事業成長をサポートいたします。

「うちは対象になる?」「いくら受給できそう?」といった疑問があれば、まずはお気軽に初回無料相談をご利用ください。御社の未来を創る一歩を、一緒に踏み出しましょう。


執筆者:社会保険労務士法人総合経営サービス肥後労務管理事務所
社会保険労務士 代表社員 白井 章稔(しらい あきとし)

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